カラダが本来持っている「治す力」
カラダが本来持っている「治す力」と聞いてピンと来る人は少ないと思います。
例えば包丁で手を切ってしまった、机の角にぶつけてしまい青あざができてしまったなどはよくある経験でしょう。
そのような傷は時間がたつと傷口がふさがったり青あざがなくなったりします。
同時に痛みもなくなっていますよね?
それはカラダの本来持っている「治す力」のおかげなのです。
痛みを軽くする力
カラダにとって痛みは危険反応です。
危険反応が起こると、それを改善するために痛みを軽くする力が働きます。
痛みを軽くする仕組みはいくつかあり、その中から2つご説明致します!
1つは、下行性痛覚抑制系といって神経の流れの中で痛みを軽くする作用があります。
この仕組みは、まず痛いという刺激が神経を伝って脳に届きます。
そして脳からは危険を避けるために痛みを遮る反応が起こります。
これが下行性痛覚抑制系です。
もう1つは、カラダの「治す力」によるものです。
傷や炎症が起こるとそこで免疫に関係する細胞からそれを治そうとする物質が出てきます。
その物質は傷や炎症を治すとともに、痛みを消す作用があります。
要するに、傷を治す力と痛みを無くす力は同時に働いているのです。
どうして鍼を打つと痛みがなくなるの?
鍼施術での痛みの改善は、先ほど述べたうち、特に2つ目の「治す力」を活発にさせる為に起こります。
鍼で筋線維や皮膚などの組織をあえて傷つけることにより、「治す力」を活発にさせます。すなわち、痛みを無くす反応も活発になるということです。
また、鍼を打つとその周りの血管が広がり血液の巡りが良くなることで、免疫に関係する細胞が痛い所に届きやすくなります。
そうすると傷を治そうとする働きと痛みを無くす働きが活発になるので更に痛みを抑えることができます。
内臓機能を調整する
例えば便秘気味だという場合は大腸に反射する部分に鍼を打つことで大腸の運動を活性にすることができるので便秘改善に役立ちます。
これは自律神経の反射を鍼施術に応用した例です。
自律神経は内臓機能を司っています。
お腹を壊しやすい方や過敏性腸症候群でお悩みの方にも鍼施術はおすすめです。
免疫力アップ
上記までで述べた通り、鍼の刺激によって免疫に関係する細胞が働きます。
ここからはその免疫に関係する細胞たちを説明致します!
免疫に関係する細胞は、異物を直接攻撃する細胞と異物の特定を担当する細胞とがあります。
カラダにとって異物である鍼を打つことによってそれらの細胞たちがそこに集まり、免疫反応が起こります。また細胞の全体数も増えます。
もちろん、異物を直接攻撃する細胞が増えれば増えるほどウイルスや菌に負けないカラダが作られます。
異物を特定する細胞は以前カラダに入り込んできた異物を記憶できるので、同じ異物が侵入してきた時、速やかに特定してその異物から守ってくれる機能を呼び起こすことができます。この細胞も増えれば増えるほどその反応を沢山起こせるため、ウイルスや菌に負けないカラダが作られるといえます。
これらの理由から、鍼施術をすることで免疫力を上げて健康的な体を手に入れることができるのです。
最後に・・・
西洋医学的には痛みを和らげるのに様々な方法があります。
中には持病がある為余計に薬を飲みたくない、病院でレントゲンやMRIなどを撮ってみたが特に異常は見つからなかったと言われた方は少なくないと思います。
そのような方には鍼施術はとてもおすすめです!
ぜひ一度当店にお越しください!!
参考文献:松本美富士. “鍼治療の作用機序 特に免疫応答系に与える影響.” 全日本鍼灸学会雑誌 31.4 (1982): 323-327.
田中良和, and 黒野保三. “不定愁訴に対する鍼治療の一症例.” 全日本鍼灸学会雑誌 44.3 (1994): 272-277.